ありえない高校生マリッジ
「伊集院君!!?」
学園長の制止を訊かず、伊集院先輩が学園長室に乱入して来た。

「敦司君、何の真似だ?」

「やっぱり・・・鍛造叔父さんか・・・秘書の甲斐田さんの姿を見て、ピンと来たんだ。で、那岐ちゃんに何の用ですか?」
伊集院先輩が隣の腰を下ろし、対峙してくれた。

「氷室家の人間とはあれ程、仲良くなるなと言ったのに・・・」

「それは叔父さんの都合だ」

「・・・君は伊集院家の次期当主。この私は兄貴から、君の教育を任されている。敦司君の友人を選ぶのも、私の大切な役目だ」

「私は氷室のコトを親友だと思っています。
彼女だって、自分の出生を知って、苦しんでいる。
なのに、そんな彼女を尚傷つけるようなコトして、大人として恥ずかしくないんですか?鍛造叔父さん」

「・・・今日の所は帰る。私よりも総理にお灸据えられた方がいいようだな」

「逃げるんですか?」

「帰るだけだ!!」
伊集院頭取は激怒して、帰ってしまった。
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