ありえない高校生マリッジ
「ゴメン・・・那岐ちゃん」

「!!?」

伊集院先輩があたかも自分が悪いように頭を下げた。

「伊集院先輩は悪くないです」

「皆・・・名家だと言う奢りがある連中ばかりだ。
権力だけを振りかざして、人を自分の好きなように動かす。
最近の父上もそうだ・・・」

「伊集院・・・先輩?」

彼は心の中に伊集院家に対して怒りを抱えていた。

「話は終わったようだ。教室に戻りなさい」

学園長が私達を嗜めた。

「行こう。那岐ちゃん」

「はい」

思いつめた彼の表情が気になる。

「何で…また…伊集院頭取が那岐ちゃんに用あるんだ?敦司」

何も知らない諏訪部先輩は伊集院先輩に質問を投げかけた。

「別に何もない・・・」

伊集院先輩は笑って誤魔化した。

伯父さんの愛人の子だとは言いたくないんだろう。
やっぱり、彼も伊集院家の人間。
世間体を気にする。





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