ありえない高校生マリッジ
その日の夜・・・

夕食を終えた時間帯に伊集院先輩が屋敷を訪問。

「渚は・・・まだなのか・・・」

「はい…今日は会食があるとかで・・・」

「正式に社長に・・・就任したみたいだし。そのお祝いかな?」

「多分・・・」

「そっか・・・じゃ今夜は・・・会えそうにないな・・・」
会話を続けながら、ふと伊集院先輩の声に張りがないのに気づく。
声も出すのも辛そうな雰囲気。
「渚君に何か伝言があれば、伝えておきますよ」

「・・・いいよ。渚に直接伝えたい・・・」


「そうですか・・・」

「夕食は済ませておられるのですか?敦司様」

エントランスで喋る私達に中田さんが近寄って来た。


「まだ・・・です」

「なら・・・ご用意致しますよ。敦司様」

「今夜は遠慮します・・・食欲がなくて・・・」

踵を返した途端、プツンと糸の切れた操り人形のようにその場に倒れ込んでしまった。

「伊集院先輩!!?」

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