ありえない高校生マリッジ
「さっきまで・・・あんなに喋っていたクセにどうした?口数が少ないぞ」

「渚君って・・・意地悪ですね・・・」

「そうか?」

渚君がスイートのドアにカードキーを差し込んだ。

ドアのキーを開けると室内の電気が自動灯火。

「スイートから見える夜景も綺麗だぞ。那岐」

渚君は私の肩を抱き、耳許で囁く。
彼の吐息と声が鼓膜を擽った。

二人で部屋の奥へと進むとヨーロピアンテイストで統一された調度品や応接ソファが並んでいた。

その右奥はきっとベットルーム。
渚君は分厚い遮光カーテンで閉じられた硝子窓を見せるように一気に開いた。

瞳に映る風景は展望レストランで見た同じ横浜の夜景。

角度と高さは違うけど、眩い光は同じだった。


「キレイ・・・」

「喜んでくれて嬉しいよ」

渚君は私の後ろに回って抱き竦めた。

「スキだ。那岐」

「私も渚君が大好き」
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