ありえない高校生マリッジ
「那岐って…馬鹿だな・・・」

「馬鹿なのは分かっています。父さんは自分に何かあれば、渚様の両親を頼れと遺言残したけど・・・自分一人でやれるかと思って…でも、ダメでした・・・渚様のようなセレブで賢くて、イケメンでカッコいい旦那様と妻となり、その上智樹のパパになって貰えて、すごく嬉しいです。ありがとうございます」

お前と結婚させられたのも、智樹君のパパにされたのも・・・皆、親父とお袋の差し金。
俺の意思なんて、微塵も入っていなかった。

でも、那岐は俺に涙を流しながら感謝の言葉を紡ぐ。

奥歯の奥が歯がゆい。

そもそも、結婚ってこんなもんじゃない。

成人した男と女が恋に落ちて、愛を育んで…男がプロポーズして・・・

「なんかこのスープしょっぱい」

「それはお前の涙の味だろ??」

「・・・」

「泣きながら食うなよ・・・」

俺は立ち上がって、那岐に向かって、上着のポケットに忍ばせたハンカチを投げた。

「全然、使ってないハンカチだから…使えっ」

「渚様って優しいですね・・・」


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