ありえない高校生マリッジ
「おいっ！？那岐」

俺が風呂から上がるまであれ程、『起きてろ』と言ったのに、那岐は智樹君共に夢の中。

俺はベットに添うように置かれたベビーベットで眠る智樹君を見つめる。

小さな足がタオルケットから飛び出していた。
那岐はともかく、コイツは自分の両親が死んだコトすら分からない。

考えてみれば、不憫で可哀想なヤツだ。

俺は智樹君のタオルケットを掛け直した。

眠気が覚めてしまった俺は隣の部屋で仕事を始める。


父親の会社は大手の肌着メーカー『スコール』
社長と副社長である父と母は半年間の海外出張へ。

会社の未来を左右する大切な取引らしいけど、二人揃って行くコトないだろうに。

社内では父の社長の椅子を狙う連中が居るらしく、高校生の俺を社長代理に据えた。

その上、那岐と智樹君のコトまで押し付けて、ストレスマックスだった。

< 72 / 182 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop