ありえない高校生マリッジ
ACT10*会社訪問

~那岐紗side~

渚様は制服ではなく、紺色の三つ揃いのスーツに身を包んでいた。

「制服は?」

「これから、会社に行くから・・・スーツに着替えた」

「学校行ったり、会社に行ったり、大変ですね」

「大変だよ。でも・・・俺には家族出来たから…ちゃんと働かないと」

「渚様は私と智樹のコトを家族だと認めてくれるのですか?」

「・・・俺の意思はほとんど入っていないけど・・・結婚したのは事実。智樹が俺たちの子供になったのも事実。
子育てには金が要るし」

「渚様!!」

私は渚様に思わず嬉しくて抱きついた。

「離れろっ。那岐」

「お熱いですね・・・氷室先輩。お先です・・・」

白石君が抱き合う私たちを尻目に先に校舎を出て行った。



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