ありえない高校生マリッジ
「これが…渚君の会社・・・」

「まだ、俺の会社じゃないけどな・・・俺は父の代行で社長してるだけだ・・・」

車は、そのまま地下の駐車場に続く坂を下っていく。

「到着しましたよ。社長代理」

「サンキュー。下りるぞ。那岐」

「はい」

私と渚君はドアを開けて、車から出た。

「渚君の会社は何の会社ですか?」

「肌着メーカーだ。『スコール』って知ってるか?」

「知ってます。知ってます。女性下着が有名ですよね」

「その『スコール』だ」

「中田がお前にプレゼントしたベビードールもウチの商品だ」

「社長代理、急ぎましょう。会議に遅れます!」

「分かってる・・・」

渚君は私の手を引き、平井さんを伴って、エレベーターホールにそそくさに向かった。

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