麻川くんより、バカでした。

ガラッ
ドアの方を見ると麻川くんの親らしき人がいた。
「タツヤ!!!」
「お兄ちゃん!!!!!!!」
2人は麻川くんの元へ駆け寄る。
「うわああああああっお兄ちゃんっ!!!!!」
泣きじゃくる中学生ぐらいの女の子。

私は病室から出て、待合室にいた。
すると、さっき見た、中学生ぐらいの女の子が私に話しかけてきた。
「はじめまして、タツヤの妹です。いつも兄がお世話になっております。」
深々と頭をさげていた。
「はじめまして、皆川リンナです。お兄ちゃん、急だったよね。でも麻川くんなら絶対助かるよ。」
その子はニッコリと笑っていた。

名前は麻川 癒恋(ユレン)、現在中2だそうだ。

少しの間話して、私は8階の緩和ケア病棟に行った。
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