麻川くんより、バカでした。
「なんだよこれ…電話…番号…」
すぐに足が動きだした。
ケータイがある自分の部屋に。
手紙に書いてあった電話番号をうつ。
早く…早く…

コールが鳴り響く…
3コール…
繋がった。まだ兄ちゃんは生きている。
それだけで涙が出てきた。

『もしもし?』
でた…兄ちゃんの声だ…
「もしもし!タツヤだけど…」
向こうで息がつまっているのが分かった。
『タツヤ!?俺…春斗…。』
「分かってるよ。兄ちゃん…」
もう顔は涙でぐちゃぐちゃだ。
兄ちゃんのせいで、どんだけ俺泣かされたと思ってんだよ…
『元気にしてたか?今どこにおんの?』
少し鼻声になっている。泣いたのかな…
「今は前と同じ家にいるよ。兄ちゃんは今どこ…?」
『俺は今働いてるよ。お前らが住んでるとこの近くだよ。』
「まじで!?」
『おう。今度会えるか?』
「もち!また電話すんね。」

また兄ちゃんに会える…こんな夢みたいなこと
あるなんて思わなかった。


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