麻川くんより、バカでした。
「は…っ?兄ちゃんと…!?」
肩をゆすられた。これで春斗さんと合わせて2回目だ。
「…ごめん。なにを話したん。」
言わなければよかったー、
「んーとね、春斗さんの高1のときの気持ちとかかな。」
「教えて…。お願い…リン…教えろ…。」
呼び捨てにしてるってことは本当なんだな。
教えてもいいのかな。
「それは春斗さんに直接聞いたほうがいいと思う。私が話すことじゃないわ。」
そういうと麻川くんはふっと微笑んだ。
「ありがとう。もう1回兄ちゃんと話してみるよ。さっき俺感情的になりすぎたからさ…。癒恋の前なのに恥ずかしい行動したよ。リンちゃんありがとな。こんな俺んちの事情巻き込んじゃって。」
「全然いいよ。私麻川くんの彼女だもん。」
笑うと麻川くんも笑い返してくれた。その笑顔はすごくやわらかなものだった。
「俺、お前が彼女で本当よかったよ。これからもな。」
とても幸せに感じた。
ブーブーブーッ
【着信:春斗さん】
「あ、ちょっと電話。」
「うい。」
『もしもし?』
「もしもし、リンナです。」
『リンナちゃん?タツヤに話してくれた?』
「はい。麻川くんは春斗さんとはなしたがってます。」
『んー。そうか、今どこにおる?そっち行くわ。』
ブチ
「春斗さん、こっちにくるそうですよ。」
コクンと頷いてお茶を飲んだ麻川くんはとてもそわそわしているようにみえた。
私は出て行ったほうがいいのかな…
「私、用事あるから家帰るね!がんばって。」
「うん。本当ありがとね。また明日!」
バイバイして家に帰った。
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