悪魔と1ヶ月




……出てみるか。


重い体を起こし、玄関へ。

こんなとき、ここが実家なら私が出なくてもいいんだけどなぁ。

でもなぁ、実家からじゃ学校遠すぎて通えないんだよなぁ。




「はーい」









………



「さみぃ。あと出んのおせぇ。家上げろ」

そう言って勝手に上がり込んできた非常識な人間は、
上級生と喧嘩していた、


「神木リオ………」


「あ?」



こいつ…、どの面下げて…!!


なんて、口が裂けても言えないわ。
殺されそう。


神木リオ、一応、同じクラス。
とは言っても、今日まで一度も喋ったことなかった。今喋ったので、過去形。


まあ、この頬の怪我の諸悪の根元である
腹立つ。


「ヒヒヒ、ひっでぇ、腫れてんじゃん」


誰のせいだ誰の!!
なんてやっぱり口が裂けても言えない。
何故なら以下略。


「な…なんの用ですか…」



早く帰ってくれ。今なら許してやるから。許すも何もないがな。


あぁ、冷蔵庫を開けるな!漁るな!


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