秘密のMelo♪y⑤*NY編*
これでもかというほどに冷たくあしらうまおちゃんだったけど、気のせいか…その表情は、いつもより柔らかいように感じた。
「お、置いとくからね?」
おろおろしながら、ベッドの脇にコトンと缶を置く。
「あ、そおだまおやまおや、いいニュースがあるんだよ。聞きなさい」
「三秒以内なら聞く」
「えっそお? そんじゃあ……って無理だわ!Σ」
三秒ってあのねまでしか言えねーよ!? と全身全霊突っ込むおじさんは、どうも復活したようだった。
まおちゃんも、それを察してあの表情だったのかなと思う。
「…まったく……。それでな? 昨日連絡があったのを忘れていたのだが、さかもっちゃんが近々来るそうだよ」
「坂本さん?」
「そおそお。…しかも! コロちゃん達を連れ…」
「誰」
「えっ…」
えっ…じゃないでしょ…。
キラキラ輝いた瞳で言うおじさんの言葉をことごとく遮り、冷たく言い放ったまおちゃんの一言。
それはあまりに最もで。
「パパ、パパ。それを言うなら梨音よ…」
「ハッ…! そ、そおだった」
本気で今気付いたような顔をするおじさんは、慌てて訂正する。
「り、りこちゃん達…」
「だから誰」
「…………私、帰る」
「ばいばい」
「止めて!?Σ」