秘密のMelo♪y⑤*NY編*
差し出されたのは、なんか…箱。
シンプルだけどなんとなーく怪しげな箱。
両手に入るほどの大きさだ。
「開けてみる?」
「う、うん…」
まだ手が不自由なあたしに代わって、包装紙をといていくしゅっちゃん。
びりびりに破くあたしとは違って結構慎重だ。
「箱超シンプルやな」
独り言のように言いながら開けると…。
「…は?」
「なになにどーしたの?」
「…それは…」
「…?」
興味本位で覗き込んだりんりんと蓮くん。
連くんは一言呟いたっきり黙り込む。
「……マトリョーシカ式だねぇ…」
ま…まと…?
な、なにそれ?
「ほら、あるやんどっかの国の人形でさ、パカッて開いても中にまたおんなじ人形があるやつ」
「ふーん…?」
あったっけ、そんなの…?
いや、ぶっちゃけ知らないかも…。
「ただのいたずらとちゃうやろな…」
ブツブツ言いながら、ちっさい箱を開けては取り出し、開けては取り出しを繰りかえるしゅっちゃん。
やがて。
「お」