秘密のMelo♪y⑤*NY編*
――洋平サイド――
「まお!?」
「へ?」
あくる日いつものように、真裕の病室へ向かっていたそのときだった。
病室のほうから花梨ちゃんと思わしき声が響き、思わず足を止める。
「なにやってるのまお!!」
「…?」
ただならぬ雰囲気を感じ取り、止まっていた足で地面を蹴った。
「どうし……!?」
「ま、まおパパ…!」
真裕……!!
「真裕!」
…駆け付けた私が見たのは、花梨ちゃんが真裕の手からナイフを奪い取った瞬間。
あいつ…また、自殺を図ったのか…!
「なにをしている!」
思わず声を荒げながら歩み寄るけれど、真裕の目は数日前のものに戻っていた。
生きているのに死んでいて。
深い、深い、悲しみの闇。
ズキンと胸が痛んだが、それは後回しだ。
「わ、忘れ物をして…戻ってきたら…」
おろおろしながら説明してくれる花梨ちゃんに小さく頷き、虚ろな表情で座り込む真裕に目を向けた。
「何度言えば分かる。バカな真似をするんじゃない」
「……バカな…真似…?」
「そうだ。お前が死んだところで何が解決する」