秘密のMelo♪y⑤*NY編*
『みなさんの中で、A型RH-の方はいらっしゃいませんか! 輸血が足りないんです。どうか…』
「あたしAよ!」
「あ、俺もや…」
『彼女と彼と、私がA型です』
名乗り出た花梨と修平を指して言ったお父さん。
「ああ、俺もだぜ」
『シュンナイス!』
これだけ人数がいると、意外といるものだな。
妙なところにどこか感心しつつ、連れて行かれる四人を見つめた。
『……レンジってB型?』
『そうだけど』
『……すっごく“ぽい”』
なんだ?
血液型に振り回されるの…日本人だけじゃないんだ。
数十分後に戻ってきた修平は、「血嫌いやねんから…見せんといてほしかったわ…」と青い顔して呟いていた。
戻ってくるより前にもう、真緒ちゃんの処置は終わっていた。
『今という危機はとりあえず乗り越えましたが、完全に脱したわけではありません。持ち堪えられるかどうかは…五分五分以下でしょう』
五分五分…以下…!
医者から放たれた一言は、想像以上に深く心に突き刺さった。
姿を見ていないだけに、余計信じられない。
本当に……今ICUに入っていったのは、真緒ちゃんなのか?
『…といいますと…具体的には…?』
常に正確を求める、藤峰家トップのお父さんは淡々とそう聞く。