秘密のMelo♪y⑤*NY編*

『みなさんの中で、A型RH-の方はいらっしゃいませんか! 輸血が足りないんです。どうか…』


「あたしAよ!」


「あ、俺もや…」


『彼女と彼と、私がA型です』


名乗り出た花梨と修平を指して言ったお父さん。


「ああ、俺もだぜ」


『シュンナイス!』


これだけ人数がいると、意外といるものだな。

妙なところにどこか感心しつつ、連れて行かれる四人を見つめた。


『……レンジってB型?』


『そうだけど』


『……すっごく“ぽい”』


なんだ?

血液型に振り回されるの…日本人だけじゃないんだ。



数十分後に戻ってきた修平は、「血嫌いやねんから…見せんといてほしかったわ…」と青い顔して呟いていた。

戻ってくるより前にもう、真緒ちゃんの処置は終わっていた。


『今という危機はとりあえず乗り越えましたが、完全に脱したわけではありません。持ち堪えられるかどうかは…五分五分以下でしょう』


五分五分…以下…!


医者から放たれた一言は、想像以上に深く心に突き刺さった。

姿を見ていないだけに、余計信じられない。

本当に……今ICUに入っていったのは、真緒ちゃんなのか?


『…といいますと…具体的には…?』


常に正確を求める、藤峰家トップのお父さんは淡々とそう聞く。


< 12 / 271 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop