秘密のMelo♪y⑤*NY編*
――真裕サイド――
なんか色々あったけど、とりあえず初めて来る別荘に帰って来た。
ここまでの距離、大したことなかったのに、着いたときはもう十二時。
ちなみに病院を出たのは十一時過ぎだ。
一時間近く経ってる。
「だって僕…! 運転手いないの初めてなんだもんっ」
いつまでも言い訳してる父様に背を向けて、うちの別荘では世界共通の認証機に手をかざした。
―ピーッ。ニンショウシマシタ。ソレデハセイモンヲ…
「またかいっΣ」
―ピーッ。ニンショウシマシタ。フジミネマヒロサマ。
「またかいっΣ」
前もあったぞこんなこと。
慌てて喋ったら、それだけで認証しちゃったっていうのが。
前にもあったぞ。
雑だな。いいのこんなんで。
『すごいわねぇ…』
『さすが藤峰家…』
『そこらの金持ちとは規模が違う…』
これでもかってほどに首を上に見上げながら、きょろきょろと辺りを見渡すみんな。
門の中に入ると、遠くから声がした。
「まっおた~ん!」
「……ん?」
「おめでとまお❤」
「りんりん」