秘密のMelo♪y⑤*NY編*
―――……
「すごおい」
中に入ったあたしは、思わず漏らしていた。
間取りどころか、家具からなにからぜーんぶ一緒なんだもの。
本当に、本邸をきゅっと縮めたみたいな。
「縮めなくたって十分すぎだわよ…」
「……悪趣味」
「悪趣味って言うなよΣ」
だって。
まったく一緒って……ねえ?
どうせ父様なんでしょこれ。
「あっ…お嬢様、お持ちいたします」
「え? あ、ありがとう」
きょときょと周りを見渡すあたしの手に持たれているバッグを、半ば奪い取るように受け取った。
「ちょっと気が利かないわね男達」
『そおよそおよっ。マヒロは怪我してるんだからもっと早く気付きなさいよっ』
『うるしゃあわっΣお前ら人のこと言えた立場か!』
「で? 琥珀達はどこ?」
「お部屋で待っていますわ。お嬢様にお会いできなくて寂しそうでしたわよ」
わあ…。
会えるんだ!
本当に会えるんだ、琥珀達に…。
「ありがとう坂本さん」
「いいえ! 私はなにも…」
ううん…本当にありがとう。