秘密のMelo♪y⑤*NY編*
――シュンサイド――
あれから一週間が経った。
真裕は目を覚ます気配はない。
この一週間の間も、何度も心臓が止まりかけた。
そのたびに俺達の心臓も止まりそうになる。
最近になってようやく落ち着いてきたと医者が言ったそうだ。
『マヒロ…』
ICUのガラスにへばりついて、いくつもの管につながれた痛々しい真裕を見つめるメイリー。
毎日通いづめだ。
…本当なら一週間前は、世界中に最高のクリスマスプレゼントが贈られていたはずだった。
藤峰真裕の演奏という、愛のこもったもの。
それがなぜ……あんなことになったんだろうか。
毎日毎日そんなことを考える。
「シュン…。もういたんだ…」
落胆した声に振り返ると、すっかりいつもの影を潜めた花梨だった。
その傍らには、修平と蓮二が寄り添っている。
「真緒は?」
「あの通りだ」
「そう…よね…」
顔を曇らせて俯く花梨は、ベンチに腰掛けた。
俺達がここまでなるには、もう一つ理由があった。
…もうあの事故の生存者はあらかた救出された。
この数日見つかるのは、遺体だけだ。もしくは……吹き飛んでしまって、区別がつかなくなってしまった、ただの痕跡――…。
…そして。
楓はまだ…見つかっていない。