秘密のMelo♪y⑤*NY編*

もうあれから一週間。

生存者ももうほとんど見込みがない。

まして楓の居場所は、あらかた見当がついていた。

…なのに、見つからない。


…これがなにを意味するか。

俺達はもう、本当は分かっていた。


「! 君達また来ていたのか。いい加減休まないと…」


「真緒パパ…」


「真裕の容体は落ち着いてきた。大丈夫だ。みんなゆっくり休みなさい」


全員を見渡して、真裕の父がそう言ったときだった。






『先生! 先生来てください、早く!!』





ICUから飛び出てきた看護師の一人が叫びながら駆けだした。

何事かと覗き込む俺達。

当然中の詳しい様子なんか見えないわけだが、悪いことでもあったのかと不安に駆られる。


『本当か!?』


『はいっ、間違いありません!』



間もなくしてやってきた医者はずいぶんと慌てていた。


「なにか…あったの…?」


不安げな花梨は中を覗き込む。


「…あ…!?」


「どないした花梨…。…!?」


「…! 真緒ちゃん…!」


< 15 / 271 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop