秘密のMelo♪y⑤*NY編*

すたすたと診察室に向かうあたし。

父様は、ちょこまかとついてきていた。


「あのね、まお。おとおさんは大事にしなきゃならないんだよ」


「へえ」


「そして僕はお前のおとおさん」


「ふうん」


「分かるかねこの意味が」


「わかんね-わよ」


「……」


あ…ここね。


もう何度か通っているために、さすがのあたしでも覚えた。

だって廊下をまっすぐまっすぐひたすらまっすぐ行って突き当りなんだもの。

間違えってほうが無理。


「それを間違うのがお前だろうに…」


「…!」


「ん?」


「…………自己嫌悪」


「はあ?」


今…かっくんが言ったかと…思った。

当然そんなわけはなく、正体は父様なわけだけど。

父様とかっくんを一緒にしちゃうなんて……超自己嫌悪。


小さくため息をこぼしながら、扉をノックした。


『はいどーぞー』


『しつれーしまーす』


『ああ、マヒロさんでしたか』


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