秘密のMelo♪y⑤*NY編*
――真裕サイド――
『…えますか…? 聞こえますか、藤峰さん!』
…誰…?
『ダメだ、目を開けて!』
誰なの…?
『藤峰さん、藤峰さん!』
な…に……?
誰…? どこ、ここ…?
何度も閉じかけた瞼だったけど、何度も呼びかけられて辛うじて意識を保つことに成功する。
ぼやける視界に映るのは、全く見覚えのない男の人。
瞼一つ、指一本、一ミリたりとも動かせない。
なにが…起きたの…?
『お父様…どうぞ』
『どうも…』
…この声…父…様…?
父様なの…?
「…真裕、分かるか?」
父様…だ…。
少し安心して、視線だけを僅かに声のする方へ向けた。
それが精いっぱい。
「……よかった…!」