秘密のMelo♪y⑤*NY編*
あたしと目が合った瞬間、体中の力が抜けたように倒れ込んでくる父様。
「大丈夫?」…って。
「どうしたの…?」って。
言いたいのに、声が出ない。
体が重くて重くて……どうしようもない。
『大丈夫ですか、お父様』
『ああ…はい。すみません。…あの、娘はもう…大丈夫なんですね?』
『はい。よく頑張られましたよ』
『そう…ですか…』
ここは…病院?
なぜ? あたし……なにが、あったんだっけ…?
かっくん…。
……あれ? …かっくん…は…?
「…う…さま…」
「どうした? 真裕」
「とう…さま……ここ、どこ…?」
「ここはニューヨークの病院だ。お前は事故に巻き込まれたんだよ。まだ無理をするな、寝ていなさい」
待って…待って。
その前に聞きたいの。
かっくん、どこにいるの? 会いたい。どこ?
聞きたいのに。
言いたいのに。
どうしてもこれ以上声が出せない。
それに…体が重くてだるくて、目を開けていることができない。
かっくん……。
…徐々に、あたしは、意識を失っていった。