秘密のMelo♪y⑤*NY編*
お願い…帰ってきて
――……
『ちょっっっといつになったら来るわけーっ?』
検査の翌日……微妙にイライラした声色でどこかに電話をかけたメイリー。
察するに、相手はユウキだ。
『はあ? まだそんなこと言ってんのあんた。いいのね? じゃあ言っちゃうわよあたし』
「懲りないってゆーか」
ふうっと息を吐きながら、どこかに向かってびしっと人差し指を突き出すメイリーを見つめた。
『まあ……気持ちは分かるわ。だって高いチケット一枚無駄にするの、もったいないもの』
『…お金返そおか?』
『……いいわよ金持ちめ』
『……』
…なによう。
あたしのせいだからって思っただけなのに、そんな言い方しなくたってっ。
『なにをですってー? おっほっほっ。あたし、知ってるのよ❤』
「高笑いしてる…」
なにをそんなに優越感に浸ってるんだろう。
面白いなこの人、電話してるの見てるだけで。
『だからなにをじゃないのよー。本当にいいのね? …マヒロー、あのねぇ、ユウキがあなたのこと、す…』
『わああっ!! な、なに言おうとしてんだよあんた!』
『あーらやっぱり』
『はあ!?』
メイリーがこっちを向いてあたしに何か言おうとした瞬間、電話口からかなり焦ったような叫び声が聞こえた。
彼女はといえば、なぜだかさらに勝ち誇ったような表情で笑っていた。