秘密のMelo♪y⑤*NY編*
お願い…帰ってきて

――……



『ちょっっっといつになったら来るわけーっ?』


検査の翌日……微妙にイライラした声色でどこかに電話をかけたメイリー。

察するに、相手はユウキだ。


『はあ? まだそんなこと言ってんのあんた。いいのね? じゃあ言っちゃうわよあたし』


「懲りないってゆーか」


ふうっと息を吐きながら、どこかに向かってびしっと人差し指を突き出すメイリーを見つめた。


『まあ……気持ちは分かるわ。だって高いチケット一枚無駄にするの、もったいないもの』


『…お金返そおか?』


『……いいわよ金持ちめ』


『……』


…なによう。

あたしのせいだからって思っただけなのに、そんな言い方しなくたってっ。


『なにをですってー? おっほっほっ。あたし、知ってるのよ❤』


「高笑いしてる…」


なにをそんなに優越感に浸ってるんだろう。

面白いなこの人、電話してるの見てるだけで。


『だからなにをじゃないのよー。本当にいいのね? …マヒロー、あのねぇ、ユウキがあなたのこと、す…』


『わああっ!! な、なに言おうとしてんだよあんた!』


『あーらやっぱり』


『はあ!?』


メイリーがこっちを向いてあたしに何か言おうとした瞬間、電話口からかなり焦ったような叫び声が聞こえた。

彼女はといえば、なぜだかさらに勝ち誇ったような表情で笑っていた。


< 174 / 271 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop