秘密のMelo♪y⑤*NY編*
嬉しそうに抱え込んでぱりぱり食べ始めたアッシュと膝の上の琥珀を、思わず見比べてしまった。
『…? なに?』
『…別に…』
なんか…似てるなって。うん。
…うん。
『あっ、おいしそう~❤一個ちょーうだい』
めざとく気が付いたメイリーが、ひゅんっと飛んできて一枚かすめ取り、ぱりぱりとかじり出した。
……リス?
『えーなにこれ超うまーい❤』
『どれどれ…』
『あ、あたしも。…はいシュン』
『俺もかい』
メイリーの幸せそうな表情と感激したような声に、わらわらとクッキーに集まるみんな。
一枚食べては『ほんとだー』と感激する。
面白い光景である。
『よく考えたら、藤峰家に置いてあるものだもんね。きっとちょー高価に違いねーわ』
『そうでもないよ。一缶で百三十ユーロちょっと(約15000円)だったもーん』
『ひゃくさん…ってあんたこの缶、両手に乗るくらい小さいじゃない! はあ!?』
「Σ」
びっくうっと肩を揺らし、一つ後ろに後ずさる。
唖然とした表情のリジュがちょっと怖い。
『いいとこのなのねぇ…』
『だろおね…』
『うめー』
『アッシュちょっとは遠慮しなさいよッΣ』