秘密のMelo♪y⑤*NY編*

「お前さんてやつァ…」


「ご…ごめんなしゃい」


ギリギリのところでキャッチした自分を褒めてやりたいくらいだ。

縮こまる真裕を立たせた。


「……」


「ん?」


あせあせしながら自分の体を抱きしめる真裕のすぐ後ろ…つまり俺の横で、ユウキがなぜかきょとんとしていた。

まるでへんなものでも見るかのように真裕をじっと見つめては、首を傾げる。

一体何がしたいんだこいつは。


「はあ…もう。シュン、お部屋隣だからもう連れてっちゃってよ」


さっきのですっかりやる気を失ってしまったらしい真裕がそう言い、パタパタと自室に戻ってしまった。


「おいおい。なんなんだよ、あいつ」


「あん? なにってなにが」


相変わらず意表を突かれたような顔で俺に問うユウキ。


「なんでああなんだ?」


「ああってなんだ」


「だって…星野楓が…」


部屋までは少しばかり距離があるし、壁も扉も分厚いから聞こえはしないんだが。

眉と共に声も潜め、ユウキはそう言った。


言いたいのは恐らく、「行方不明なんだろう?」とい類のものだろう。

死…という情報は、俺達以外には漏らしていない。

あいつの影響力が影響力なだけに、連日のようにテレビやなんかで取り上げられてはいるものの。

なんの進展もないままだ。


「ちょっと話がある。行こう」


だがここまで(強制だけど)来たわけだし。

俺の一存でいいのかは分からんが……知る権利はあるんじゃないかと思う。


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