秘密のMelo♪y⑤*NY編*
…本当に水を差したな…。
でも確かにそれは大事な問題で、これが解決しない限り心の底からはなにも喜べない。
『…どこ…行ったのかしら…』
ぽつんと呟くリジュという彼女。
それを最後に、ロビーは静まり返った。
「あれ、どうしたのかね君達」
「真緒パパ…真緒は…?」
「ああ、今しがたまた眠ったよ。もう心配はないそうだがね」
いくぶん安心した表情ではあるものの、やはりどこか暗い。
楓のことがあるんだろう。
「君達に…言っておこうと思う」
「…!」
「!」
「…?」
しばらく沈黙が続いた後、突如ゆっくりと口を開いた真緒ちゃんのお父さん。
とても言いにくそうな顔でベンチに腰を下ろし、下を向いたまま、言った。
「…今朝、ある男性の死亡が確認された」
「…!」
「!?」
「っ…」
『!!』
『そっ…』
…それ…は…。
「…断定はできないが」
断定はできないが……。
「……楓くんである可能性が、極めて高いそうだ」