秘密のMelo♪y⑤*NY編*
大慌ての花梨を部屋から追い出して、鍵をかけた。
「ちょとっっ。開けなさいよーっ。まだ話は終わってないのよ? …てかこれじゃ帰れないでしょっ。泊めなさいよー!」
「……ハア…」
まったく…。
はた迷惑なやつだな…。
やれやれと首を振ってから、カチャ…と鍵を開けた。
「ホントにもうっ。まったく…」
「…それはこっちの台詞だよ」
心底呆れたような言い方をする花梨だが、自分が果てしないトラブルメーカーだってことに……気付いてないんだろうか。
なんでこんなのとずっと付き合ってられるんだろう…。
「…僕は今、自分が不思議でならないよ」
「あら。惚れた?」
「……ハア…」
「ちょっとΣ人の顔見てため息つくってどこまで失礼なの!? この美しい顔…」
「お前いつからそんな自意識過剰に…」
言われれば言われるほど、なんだかそうでもないように見えてくる。
実際確かに綺麗な顔をしているわけだけど…。
不思議だな、人間の心理って。
「あんたがひねくれてるだけよ」
むっと唇を突き出す花梨をよそに、カーテンをそっと閉めた。
いずれ気付かれるだろうしね。
「……まお…大丈夫かしらね…」
「……」
そんな僕を見て不安そうに呟いた花梨。
なにも言わず、頭に手を乗せた。