秘密のMelo♪y⑤*NY編*
目を見開いて、はらはらと涙を落としながら座り込む花梨。
修平と同時に支えながら、唇を噛みしめた。
『か……カエデに限ってそんな…!』
アッシュがなんとか絞り出した一言は、みんなの気持ちを代弁しているかのようで。
それ以降はまた、沈黙がこの場を襲う。
「…信じたくないのは私も一緒だ。だがこれは、専門家の分析の結果なのだ。私とて、二度も調べ直させた。だが……結果は同じだったよ」
…確かに、辻褄は合う。
生存者の救出がなくなってきていて。
大体の場所は分かっていたのに、そこにいなくて。
そしてその結果なら……確かに、辻褄は合う。
合ってしまう…!
だからといって、こんなことを容易に信じられるはずがない。
その日は誰も、それ以上何も言わず。
恐らくみんながみんな、一縷の望みにすべてを寄せた。
「っ…う…っく…!」
「花梨……」
ホテルに帰った僕達は、泣き続ける花梨のそばを離れなかった。
近くニューヨークを発って日本に帰る予定だったが、事故で日本行きの便はなく。
宝院の生徒全員が、しばらくここに残ることになった。
最初こそ、楓達が…藤峰夫妻が巻き込まれたと知って押し寄せていた連中だったが、憔悴しきる花梨の様子を見て徐々に来なくなった。
今では、花梨を心配する女の子が数人様子を見に来るくらいだ。
「どうしてなの? なんでこんなことになるの…? あの子が何したっていうの…!」
やり場のない怒りをぶつけたいのは僕も一緒で。
ベッドに腰掛けて、握った拳をじっと睨んだ。
「こんなのって…! ないわよ…!」