秘密のMelo♪y⑤*NY編*
――シュンサイド――
「イライラする! 出てって!」
「!」
すごすご戻ってきたメイリー達の代わりに真裕父が忍び込んでから数分。
室内からそんな声が聞こえた。
『マヒロの本気で怒った声……初めて聞いたかも…』
びっくりした表情で呟くアッシュに、思わず同意。
『まあ…気持ちは分かるわ。分かんないけど』
『どっちだよΣ』
リジュの言いたいことはなんとなくわかる。
マヒロだってそりゃ、イライラもするだろうよ。
あれだけ色々あって…吐き出すすべを知らなくて…当たる先すらなくて…。
挙句あんなことを言われた後、さっきの話を聞いたんだ。
察しはつくものの、自分じゃ理解できないだろうなという、諦めにも似た思いも…。
『あ』
「って…」
声を上げたハディにつられて顔を上げると、同じくすごすごと引き下がってきたらしい真裕父。
しかもその落ち込みようがハンパない。
「まおたんに怒られた…」
「……」
ヘコみすぎだろ…。なんだあの死んだ魚みてェな目はよ。
「まおたんに怒られた…」
『パ、パパっ。嫌われたわけじゃないんだし? マヒロだってちょっとイラついてるだけよ~。機嫌治ったらきっと…』
「あんなに怒られたの初めてだーいっっ! うわーんっ!」
『……』