秘密のMelo♪y⑤*NY編*
まおちゃんの気持ちを考えたら、息がつまった。
息ができないくらいに苦しくて。
どうしようもないほどに心が痛くて。
張り裂けそうなあの小さな体。
それでも無理に笑ってみせる、痛々しい姿。
そんな彼女が目に浮かぶようだった。
崩れそうで絶対に崩れ落ちない。
それだけの強さを持っているだけに、彼女は儚い。
それを支えていたのが楓だった。
それなのに……その楓がいないこの時に!
なぜ…?
「でも…なんでかしら」
「え?」
「まお、本当に落ち着いた声で言ったのよ。今度は全然、無理してない様子で」
「……なんて?」
「……でも、一人じゃないから…って」
一人じゃない…?
どういう意味だ?
お父さんのことか?
「シュン達じゃないかしら? ほら…まおの家にいるでしょ、今」
「ああ…そういやもう一人来たらしいな」
そう…なんだろうか?
僕が見ていた限りでは…彼女の中で絶対的なのは、花梨だったような…。
それを凌ぐのがシュン達?
なにかあったのかもな…。
考えを巡らせていたときだった。
『速報です! NYでのあの事故以来行方不明となっていた藤峰楓氏が―』
…藤峰楓? ……ああそうか。そうだな。うん。藤峰だわな。