秘密のMelo♪y⑤*NY編*
――真裕サイド――
「…だから、今向かってるのはイギリスのN病院。そこに、楓くんはいる」
いる…あの人が、いる?
生きて……その場所にいるっていうの…?
ずっと聞きたかった言葉。
夢に見るほど、待ち望んでいた言葉。
それがまさか、今になって聞けると思わなくて。
信じられない思いに駆られた。
さっきまでの気分の悪さやイライラなんてどこかへ消えてった。
あたし、今、何を聞いた?
かっくんが生きてる……生きてる…!?
「……うそ」
「嘘じゃない」
「だって…」
「本当だ。間違いないよ今度は」
「でも…」
でも…?
あれ…でも…なんだっけ…?
嬉しい…こと。
喜ぶ…こと。
だけどなんで?
なにかが、あたしをそうさせない。
“生きてるはずがない…”
生きてるはずがない?
なんで?
“だって…あの人は…”
あの人は……なに?