秘密のMelo♪y⑤*NY編*
メイリーの遠慮がちな…それでいてとても気になって仕方がないような声色に、親父さんが振り返った。
『どうして二ヶ月も見つからなかったんですか? それに楓だってなにかしら連絡くらい…』
「そこらへんは分からない。行ってみればなにかと分かると思うんだが…」
「が…なんです?」
すかさず言葉尻を拾うユウキ。
声がとても厳しく、少しの曖昧さも許さないと言った雰囲気だ。
…だがそれは俺だって同じ。
ここまで来てまたデマでしたじゃすまされない。
「うん…いや、なんとなく嫌な予感がしただけだよ。私の当てにならない勘さ。気にしないでくれ」
「……」
苦笑いでそう言われるも、それは俺達にさらに不安を与えただけだった。
もう何も起きないでくれよ…。
目的地に着けば、楓がいて。
それでいいじゃねェか。
それでもう…万事解決だよ…。
すぐにまた、あの懐かしいイチャつきぶりを目にするんだ。
そうに違いない。
そう思いたかった。
「ところで野木ちゃん、どのくらいで着く? 私もう待ちきれない❤」
『ガガッ……あと四時間以上はかかりますね…』
「四時間んん!?」
…そりゃまあニューヨークからイギリスだもんなぁ。
そうすぐには着かんだろうぜ。
「い、急いでくんない」
『申し訳ありません…最短で四時間は…』
「君の大事な真裕のためだぞっ! ほら見ろつらそうじゃないか!?」