秘密のMelo♪y⑤*NY編*
『藤峰真裕様…奥様ですね?』
「あ…の…?」
…英語で語りかけられているのに、あたしは日本語でか細く漏らしただけだった。
後ろにいるみんなも息を呑んでいるのが分かった。
『あ……あの人…』
あの人なんで…。
『実は…』
…待って。
待ってよ。
あの人なんで……。
『なんで、あんなことに…?』
なに…あの機械たち。
なんであんなにいっぱい管に繋がれてるの?
…やっと見つけたあたしの大事な人。
生きてるって…聞いて。
きっとあの笑顔を見られるんだって思ってた。
だけど。
案内された病室に確かにいた彼の姿は、あたしの期待をことごとく裏切るものだった。
『この二ヶ月、彼はずっと――』
ずっと……?
『重度な昏睡状態にあります』
秘密のMelo♪y⑤*NY編*―完―