秘密のMelo♪y⑤*NY編*
あちこちに電話してなんとか手配を済ませ、四人に伝えて飛び出した。
カエデ…マヒロ。
無事で…いろよ…。
『メイリー…大丈夫?』
『あの素っ頓狂なマヒロのことだから、ひょっとしたら乗る便間違えてるかも…』
『カエデがいるんだからそんなことあるわけないでしょ。…とにかく無事で…いてくれれば…!』
機内でも、今にも倒れそうなほどに真っ青なメイリー。
ハディとリジュは気丈に振る舞い、メイリーを気遣った。
『…なあ』
『……』
『あいつら……けろっとしてるよな』
『……当たりめェよ』
俺達はみんな。
どうしようもない不安に駆られながら、ただ無言で祈り続けた。
―数時間後。
『そろそろだわ…』
ハディの言葉通り、そろそろ降りる時だ。
誰もが同じことを考えたのか、この便経由でニューヨークに向かう人は多いみたいだった。
空港からはほとんどの人が同じ列車に乗った。
『神様…お願い…!』
『大丈夫だ。私達の子はこんなことで神に召されるような子じゃない』
中には、自分の子がいるらしい夫婦もいた。
ここからまた十時間近くかけて行かなければならない。
…最悪の……クリスマスイブだな…。
街並みに光るイルミネーションが、どうにも場違いに思えた。