秘密のMelo♪y⑤*NY編*
「……! …っ…! うっ…げほっ…ごほっ…!」
「真裕!」
かっくんが…いない。
もう、いない?
なにを言うの…父様…。
本当に……本当にもういないって、言うの…?
「っ…ごほっ…」
「大丈夫か真裕…」
途端に吐き気が襲って、咳き込むあたし。
父様は、ゆっくりとあたしの背中を撫でた。
「それと…もう一つ」
「も…うやだ…」
「聞きなさい」
「……」
少し落ち着いて、ベッドに体を倒す。
そんなあたしを気遣う素振りを見せてから、父様も椅子に腰かけた。
「……お前はな――…」
「…!」
…え……。
「…だからもうゆっくり休みなさい。私は少し用事がある」
「……父…様…」
「…おやすみ」
静かに笑いかけて、父様は病室を出た。
あたしは……父様の言葉を思い出す。
そん…なの……!
そんなの…ひどいよ…。