秘密のMelo♪y⑤*NY編*
思い出して、ただ泣いた。
かっくんがいない。
もう、いない。
そんな実感の湧かない事実と共に、のしかかる現実。
どうしていいか分からなかった。
「うっ…っ…!」
枕に顔をうずめ、声を押し殺して涙を流した。
かっくん…かっくん、嘘でしょ?
嘘…なんでしょ…?
あたしがいつもわがままばっかり言うから、こらしめようとしてるだけなんでしょ?
ねえ、すぐに会えるよね…。
かっくん――……。
『かっくん…!』
『バーカお前なにしてんだよ…』
『えー…だってー』
『ったく…』
『ふふ…』
『くぉらなにがおかしい』
『ごめんなさーい!』
「か…っくん…!」
いやだよ…いやだよ。
ねえ、言ったじゃない。
あたしが泣いてたら……涙を拭きに飛んでくるって。
どうして、来てくれないの…?
かっくん――……。