秘密のMelo♪y⑤*NY編*
父様の顔を見て、昨日のことが思い出される。
フラッシュバックするように、一場面一場面が頭によぎった。
『真裕……落ち着いて、聞けよ…』
「真裕…?」
『楓くんは…な』
「おい、真裕…!」
『……もう、いない…』
「…! っ…うっ…!」
「真裕!」
「えほっ…ごほ…っ! うっ…ん…」
違う…違う!
あの人があたしを置いて…いっちゃうはずないじゃない…!
だって、だって…。
どんなときだって、絶対にあたしのそばにいてくれたんだよ。
どんな些細なことでも、あたしが嫌がれば一人にはしなかった。
それなのに…!
「ぐ…っう…」
「真裕…っ」
「ハア…っん…」
気分が…悪い。
めまいがする。
いやだ…いやだよ。
かっくん……。
「真裕…!」
…遠ざかる意識の中聞こえた父様の声。
ほんの一瞬だけ、かっくんに被って見えた。