秘密のMelo♪y⑤*NY編*
そりゃあ…希望は持ちたい。
だって信じたくないもの。
でも……いつもそうなの。
先生の時だって、乗ってないかもしれないって。
墜落した飛行機に…乗ってないかもしれないって、そういう希望があったのよ。
なかなか見つからないから、やっぱり乗ってなかったのかもって思ったのに…。
…その次の日には…。
…母様だってそうだわ。
突然いなくなっちゃって…でもまさか病気だなんて思わなくて。
そうかもしれないってなったときも、それでもまだやっぱり、曖昧な情報は信じなくていいって思ってたの。
だけど本当だった。
みんな…みんなそう。
あたしの大事な人は、みんないなくなってしまうの。
どうして…?
「…お…まお!」
「…!」
「どうした? 大丈夫か? 気分悪いか? ん?」
「……」
黙り込んだあたしの顔を覗き込んだ父様に首を振って、体を少し、窓際に向けた。
…分かってる。
みんなが…いつも通りを装ってくれてること。
「まお、なにか欲しいものとかある? 買ってこよっか」
りんりんの言葉にも首を振る。
「ほんなら…」
「バイオリン」
「…え?」