秘密のMelo♪y⑤*NY編*
俯いて呟く花梨の言葉は、俺達全員の気持ちを代弁しているかのよう。
どうしていいか分からない。
ただカラ元気を振りまいているしかない。
…アッシュや修平がバカをやれば、これでもかというほど冷たく突っ込んで。
かと思えば人目も気にせず楓に甘えて。
母を思ってか、時折見せる、悲しげな瞳。
だけどいつも明るい笑顔を振りまいて、天然ぶりを見せては人を笑わせた。
そんな真裕が。
まるで抜け殻のように、死んだ瞳で遠くを見つめる。
どこを見ているんだろうかと不安になるほどに、遠く感じる。
涙すら見せない。
その姿が痛々しくて仕方がなかった。
『なにかマヒロが欲しがってたものをあげればいいのよ! なにがいいかしら?』
『マヒロが欲しがってた? つーと…』
『…カエデの写真……』
『……』
『……』
『……』
『……』
「……」
「……」
「……」
『逆効果!!Σ』
思わず全員で突っ込んでしまうほどのタブーを口にしたのはハディだったりする。
『ハア……ったく。マジどうしろっつーんだよ…』
アッシュがそう呟きながら、頭を抱えてしゃがみこんだ。
それを最後に、ここしばらくではお馴染みの沈黙が、俺達を襲った。