秘密のMelo♪y⑤*NY編*
相当の大きな事故だったことが安易に推測でき、ズキッと胸が痛んだ。
『大丈夫かお前ら…』
ふと後ろを見ると、アッシュ以外は疲れ切っている様子で。
『タクシーつかまえよう』
さっきから何台も通るタクシーをつかまえることにした。
案外すぐにそれはつかまり、乗り込み空港までと伝える。
『あんた達もかい?』
『え?』
『さっきから、あの事故で身内が巻き込まれたという客が多くてね…』
『ええ…まあ』
曖昧に頷くと、眉尻を下げて『無事だといいね…』と呟いた。
車で行けばすぐなもので、ものの十分ほどで着いた。
『お前ら待ってろ』
荷物を置いてその場に三人を残し、アッシュと二人、駆け出した。
『っ…ひでぇな…』
『ああ…』
アッシュが呟くのも無理はなかった。
まだ上がる黒煙でよくは見えないものの、跡形もなく吹っ飛んでいるのだ。すべてが。
あの中に人がいたのか?
そんなの…。
思わずそう思ってしまうほどに。
人は多いが、知った顔が見つからない。
頼む…! いてくれ…!
怪我をしている、巻き込まれたと思われる人々。
その中に二人がいることを祈った。