秘密のMelo♪y⑤*NY編*
――蓮二サイド――
「ねーなんで? なんでったらなんで?」
「ちょっと考えれば…というか考えなくても分かるだろ」
「分かんないわ?」
「……」
分かんない? なんでさ?
なんで…
「十八歳の女の子にお人形やあめだまやまして動くわんちゃん人形なんかをあげなくていいっていうのが分からないのか、僕には分からない」
「まおって十八歳だったの!」
「そっからかい!?」
びしっと体ごと突っ込んできた修平を鬱陶しそうにしながら、またも詰め寄ってくる花梨。
「だって、梨音と琥珀を置いてきてるでしょ? わんちゃんが恋しいと思うのよね」
「だからといってなぜ動く人形」
「できるだけリアルな方がいいじゃないの」
「逆にすごくおもちゃっぽいと思うよ」
あれだろ?
わんわんいいながらまっすぐ進んでは、壁にぶつかって前に進めなくなるっていう。
普通のぬいぐるみよりおもちゃっぽさ全開だ。
何を考えてるんだコイツは。
「じゃああめだまは? 何歳だっていいじゃない」
「あのね。まおちゃん入院してるんだぞ? 勝手に食べ物はあげちゃダメなの」
「どうしてよーっ。果物とか、お見舞いによく持っていくじゃない!」
「果物とあめを一緒にしない」
「ケチ!」
「僕に言われてもね」