秘密のMelo♪y⑤*NY編*
文句なら医者に行ってくれと言わんばかりにしっしと手を振り、ワイシャツを緩めた。
「んもう…。じゃあお見舞い何持ってったらいいか分かんないわ」
「そんなんしか思いつかんほうが逆に珍しいで」
「さっき自分で言ってただろ? 果物でも持っていけば」
「……蓮二…あんた頭いいわね」
「……」
…ひょっとしてバカなんだろうか。
花梨までバカなんだろうか。
なんでこう、うちのやつらは揃いも揃ってどうしようもないんだ。
「それはあれか? 俺も入っとんか」
「なにを言う。お前がその筆頭だ」
「そらまおたんやろ!?」
「彼女のは可愛い天然だからね」
お前のは単なるうざ……いや、バカだ。
「バカの連呼はとりあえず置いといて、今うざいて言いかけんかったかワレ」
「なんの話だ? ぼかぁそろそろシャワーを浴びて寝るよ。花梨、部屋に戻りな」
「はぁい…。同じ部屋の女の子も心配してるし…」
ならもっと早く戻れよと言いかけたけど、無駄と分かっているのでやめた。
代わりに「おやすみ」と告げ、帰っていく花梨を見送った。
「……」
「……」
「…なんだよ気持ち悪いな」
「なにもしてへんけど!?」
「お前が黙ってるというのがすでに気持ち悪い」