秘密のMelo♪y⑤*NY編*
「お前それどこまで失礼か教えたろか」
「聞こうじゃないか」
「そらあれや。大統領にこれ食えゆうてカエル突き出すんとおんなじくらい失礼やで!?」
「…お前大統領のつもりなの?」
「今そういうことゆうとるんやないやろがっ」
第一それ失礼なのかなんなのか分からないし。
大統領じゃなくてもカエル突き出す時点ですでに相手を人として扱ってないだろ。
「で? 話を戻すけど、なんだよ?」
「なにが?」
「物言いたげな顔してただろ」
「いや……別に特に言いたかったわけでもないんやけど…」
「ふうん。じゃ、僕はシャワー…」
「聞けやそれでも、そこは!Σ」
…めんどくさいやつだな…。
小さくため息を吐きながら、浮かしかけた腰を再び下ろした。
「…なんだ?」
「いや…その…」
「……楓くんのことか?」
「うん…まあ…。…というよりまおちゃんやわ」
修平がそう言うのも当然だった。
花梨やメイリー達でさえ号泣してどうしようもなかったというのに、彼女はあれから一度も泣かない。
伝えてから……というより、勘付かれてからもう何日か経つけれど、一度も涙を見せたことがない。
一人で泣いているのか……それとも、涙すら出ないのか。