秘密のMelo♪y⑤*NY編*
えぐられる傷口
――真裕サイド――
あれからどのくらいが経ったんだろう。
あたしはずっとベッドにいて、毎日陽が沈んでは昇っていくのを眺めているだけだから、何日経ったのかなんてもはや分からない。
数えようとも思わなかった。
『でさーしつっこく電話してくるわけよ姉貴が』
『なに、心配されてんの?』
『ちげーよ! 俺が遊びに来たと思ってるから土産買ってこいとか言うんだよ!』
『なんで言わないのよ』
『それはそれでめんどくさいから』
…相変わらず代わる代わるみんな来てくれるわけだけど。
あたしは誰の話にも反応できなくて。
「まぁだ帰る目処がつかないっていうのよ、宝院。まああたしとしてはありがたいけどー、いつまでいる気なのかしらね?」
「まあ仕方ないよ。人数も多いしね」
「いっそずっとおりたいわ」
「一人でいれば」
「よーし蓮二おめーやるかこの野郎!?」
本当に普段通りに接してくれて、ありがたみも申し訳なさも感じてる。
だけどなにもできなかった。
普段通りにすることもできないし、謝ることもできない。
本当に何もできなくて、ただ抜け殻のように過ごすだけ。
心の支えはただ一つだった。
だけどそれもまた、あたしの心をズタズタに引き裂いてるわけで。
そんな自分がさらに嫌だった。
「……ふう…」
起きてることに少し疲れて、思わず小さく息を吐いた。
それにいち早く気付いてくれたりんりんが、咄嗟に両手を伸ばしてくる。
「大丈夫まお、つらい?」
「ううん…」
「無理しないでよ」