秘密のMelo♪y⑤*NY編*

――蓮二サイド――


『先生、心停止です!』


『くそっ…!』


『!! せ、先生これを…。モニターを!』


『…これは…! …お身内の方、お身内の方はいらっしゃいませんか!?』



ニューヨーク郊内のとある病院。

処置室から漏れる声に、いちいち体を震わせる。

中にいるのは…。


『私が。…父です』


『お父様ですか。旦那様かなにか…』


『旦那は今おりません。私が代わりに』


『分かりました。ではこちらに…』



「真緒…!」



…中にいるのは、真緒ちゃんだ。



処置室の前で立ち尽くすのは、僕ら三人のほかに五人。

先ほどニューヨークに到着したばかりという、シュン達だ。


あの爆発の直後…。

二度小規模な爆発が起こり、救出作業に入るまでに随分と時間がかかった。

真緒ちゃんが助け出されたのはつい三十分ほど前だ。


それからずっと、彼女の心臓は止まったり動いたりを繰り返している。


「ひっく…真緒ぉ~…!」


泣き崩れる花梨を抱きとめると、修平もすぐに寄ってきた。


「大丈夫や花梨…」


「でも…」


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