鏡の向こう
「ねぇねぇ!!
紗香、今日転校生来るらしいよ♪」
『ふぅん……。』
「気にならないの?」
『別に…。』
気にもしてなかった。
……はずなのに、
私は次の瞬間、
普通じゃいられなくなる。
「名前、聞きたい?」
『別に。』
「何よ~、つれないわね。
名前聞いたら、絶対大変なことになるのに。」
『意味分かんない。』
私がそう言うと、
伊織がボソッと呟いた。
「矢津田拓海って言っても??」
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