今日からfamily!?
海里くんはあたしの手首を掴んだままお花畑を抜けていく。
「ちょ、ちょっと!」
あたしは女の子達から離れた位置に来てから海里くんに話し掛けた。
「なに?」
海里くんの身長は高い。
そしてあたしの身長は低い。
こう手の届く距離で並んで歩くと、あたしは海里くんを見上げる形になるから首が疲れる。
海里くんなんか縮んでしまえばいい!
「何であたし!?あのコ達に連れてってもらえばよかったじゃん」
あたしがそう言うと海里くんは目を細めて、至極だるそうに溜め息を吐いた。
なに!?喧嘩売ってんの!?
「班長でしょ?」
…確かに。あたしは班長だ。
しかも未玖と豪くんに押し付けられて強制的に班長にされた班長だ。
だからそこは素直に「うん」と頷いた。
そうか。
あたしが班長だから、班長の責任というヤツですな?
って、なんじゃそら!
誰でもいいと思います!
あたし、担任のもとに病人を届けるのは班長じゃなくてもいいと思います!
「それに疲れた」
「ん?」
「うるさいし、ベタベタ触ってくるし、何かと話し掛けてくるし。疲れた」
ほう。
やっぱりそうなんだ。
海里くんはあのハーレム状態をあまり好きではないらしい。