今日からfamily!?


「ウハウハじゃないの?」

「なにそれ」


あたしが意地悪く言うと、案の定海里くんは怪訝な顔をした。


「毎日女の子に囲まれちゃってウハウハじゃん」

「んなわけないじゃん」


はあ、と海里くんはまた溜め息を吐いた。

こりゃ、相当参ってるみたい。


「だったら嫌って言えばいいのに」

「言った」

「へ?そうなの?」

「でも全然効果なかった。だから諦めた。もう面倒くさい」


あー。

その結果が今の“来るもの拒まず”って感じだから、気を良くした女の子達が海里くんから離れないんだな。

納得。


「海里くんも大変なんだね」

「まーね」


お花畑を抜けると海里くんはあたしの腕を離した。

そしてあたしの後ろに下がろうとしたのが分かったから、あたしも歩調を緩めた。


3歩後ろを歩かせないぞ!



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