今日からfamily!?


「嘘なの?頭痛くないの?」

「うん。面倒くさいから俺このままふける」

「え?ふけるってどこ行くの?」


ふけるにしたって、こっから帰る訳にもいかないでしょ?

バスで来たんだから。


「とりあえず大河んとこ」

「そっか。分かった」


海里くんも大変だな。

あんなに女の子達に付きまとわれてたら、本当やんなっちゃうよ。


「じゃ、豪によろしく」

「分かった。じゃあね」


あたしは踵をかえす。


「あぁ、そうだ海里くん!」


だけど言っておきたい事があって、海里くんの方に向き直った。


「なに?」

「ありがとー」

「ん?」

「あたし、仲間外れになるとこだった!だから写メ撮らなくて良かった!」


海里くんがあの場所から連れ出してくれて良かった。

すると海里くんは口角を上げて笑った。


「じゃあね」

「じゃあねェ!」


手を振りながら去っていく海里くんの背中に、あたしも手を振った。



< 158 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop