今日からfamily!?
「嘘なの?頭痛くないの?」
「うん。面倒くさいから俺このままふける」
「え?ふけるってどこ行くの?」
ふけるにしたって、こっから帰る訳にもいかないでしょ?
バスで来たんだから。
「とりあえず大河んとこ」
「そっか。分かった」
海里くんも大変だな。
あんなに女の子達に付きまとわれてたら、本当やんなっちゃうよ。
「じゃ、豪によろしく」
「分かった。じゃあね」
あたしは踵をかえす。
「あぁ、そうだ海里くん!」
だけど言っておきたい事があって、海里くんの方に向き直った。
「なに?」
「ありがとー」
「ん?」
「あたし、仲間外れになるとこだった!だから写メ撮らなくて良かった!」
海里くんがあの場所から連れ出してくれて良かった。
すると海里くんは口角を上げて笑った。
「じゃあね」
「じゃあねェ!」
手を振りながら去っていく海里くんの背中に、あたしも手を振った。